#7 私は台風
2025年06月03日 16:15
新しく何かを始める時に
「目的」をしっかり持つ。
当たり前過ぎて
つい忘れてしまうのは
私だけだろうか。
大人になった今、
子どもの頃や学生時代と違い、
だいたいの事柄を
取捨選択する自由があるからこそ
決めておかないと
あっという間に流れ流されて
自分を見失ってしまうから。
SNSやインターネットを覗いていると
こんな言葉をよく目にします。
「好きな時間に好きな場所で
好きなことをして自分らしく生きる」
3年ほど前、
苦手だったSNSを開設し、
自分の名前で仕事がしたくて
開業届を提出しました。
(正直な話、なんとなく!)
それから今に至るまで
「個人ビジネス系の学び」には
うん10万もする講座を
いくつも受けてきました。
受講したら
一気に理想の未来が
手に入りそうな気がして。
大枚をはたく時って、
脳が興奮しすぎて
もう全て理想が手に入ったような
あの辺な満足感、なんなんでしょう。
さて、
実際に受講したものは
有益だったもの、
身についたもの、
そうでないものも含めて
ピンキリ、多種多様。
「あれも楽しそう!」
「あの人も素敵!」
「資格を取ったら理想の働き方ができる」
「あの人のオンラインサロンにも入りたい」
「無料講座も出なきゃ損しちゃう!」
この心の動きを
アーユルヴェーダ的に説明すると
「風(ヴァータ)」のエネルギーが
自分の中に吹き荒れている状態。
※アーユルヴェーダでは、
自然界も人も五大元素(空・風・火・水・地)で
成り立つと考えられています。
体質に関しては、風・火・地の
3種類で理論づけられています。
風のエネルギーが過剰になると
落ち着きがなく
目的も決めずに
ところ構わず
手あたり次第に吹き荒れる
まさに台風。
いつも動き回って忙しく
時には人や物、
家のお金も巻き込みながら
猛烈な勢力を保ち、
進路も決めず突き進む。
もしかしたら
誰かを傷つけたことさえあるかもしれない・・・
そして
風に舞って疲れた体が
やっと地に降り立ったとき
地のエネルギーが心と体に巡り
ある日突然に冷静になって
ハッとしたのです。
「私が本当にやりたいことってこれ?」
「思い描いていた理想の感情と違う」
「他の誰かを崇めるために始めたんじゃない」
心にぽっかり空虚感を味わいました。
私のように過剰になった
風のエネルギーに身を任せて
ただなんとなく
風に流されてしまう前に
できる最善の策が
たったひとつだけあります。
新しいことに挑戦する時には
行動する意義、
目的意識を自分の中に
しっかりと根付かせてから
スタートすること。
自分の足の裏から根が張って
大地と繋がるくらいの
強いイメージを持って
自分の目的意識を根付かせる。
(そうすれば、風に飛ばされない)
そうでないと、
大枚をはたいたことで
「望みを手に入れた」
と勘違いしてしまうから。
(買って満足して袖を通さないタンスの肥やしのように)
目的に向かって
自発的に学ぼう、行動しようという
自分自身の心の芽を見ていきたい。
あなたと私の心の新芽は
もっと自分の力で太陽に向かって
伸びたがっているはずだから。
(買った服を自分なりに着こなす努力は必要!)
自分がどんな風に人生を歩みたいのか?
はたまた
大人になった今、
何のために新しいチャレンジをするのか?
ただ何となくの暇つぶしでないなら
お金を有意義に使いたいなら
覚悟を持って
地に根を張っておくこと。
その上で風に吹かれる。
自分を知ることの意味は
思いの外深いからこそ
頭や体が忙しくなったら
風のエネルギーを静めて
自分を静かに眺める時間を惜しまないこと。
それが、
ヨガのアーサナなのか
ノートや手帳を使い
書き出す事なのかは
人それぞれ。
誰かと同じなんて有り得ないことだから。
季節によって服を着替えるように
外側とのバランスを保ち
自分と向き合うことを
面倒くさいと吐き捨てずに。
その上での
失敗は勲章でしかない。
失敗して気づくからこそ
本当の意味での
理想の人生を築けるのだと思います。